今帰仁城はなぜ、世界遺産になったの?
「今帰仁城はなぜ、世界遺産になったのですか?」
ときどき、質問されることがあります。
意外に説明は難しいです。というのは、
1.今帰仁城だけが世界遺産に登録されたのではないから。
2.目に見えない部分つまり、精神文化が登録理由にあるから。
上記の二つをご説明いたします。
1.世界遺産に登録されたのは、全部で9箇所の「グスクと関連遺産」であること。
「琉球王国のグスクと関連遺産群」として9箇所がセットで登録されています。
全体として世界遺産ですから、これらの遺産を見ると、登録名に表されているように、今は失われた琉球王国の存在を証明するものと言えます。
従って、世界に唯一つの琉球王国の遺産として、「琉球王国のグスクと関連遺産群」が世界遺産として認められたと考えてよいと思います。
2.目に見えない部分とは、精神文化や信仰の面です。
9箇所のうちの一つ、斎場御嶽(セーファーウタキ)に代表されるように、琉球・沖縄の人々の精神的よりどころ、あるいは信仰が世界に唯一つのものと認められたということです。
精神文化?と疑問に思う場合は、奈良や京都の寺院を思い浮かべれば、日本に住み慣れた人にも納得できると思います。
日常信心していない人でも、奈良や京都の寺院をみれば、厳かな気持ちになるでしょう。そのように、沖縄の人々は御嶽や火の神、先祖の墓や仏壇に対する畏敬の念をいだいているわけです。
今帰仁城内にも2つの御嶽と火の神、拝所があり、崇められています。今帰仁城では、1と2の両方を見ることができます。
参考記事:
「拝んでいるひとがいますが?なぜですか?」「今帰仁グスク」Q&A 今帰仁グスクを学ぶ会公式HPが開きます。
関連記事